アレルギーにも効く難消化性食物繊維「シクロデキストリン」の効果
トクホ「難消化デキストリン」より優れた効果
難消化性食物繊維は消化されない水溶性食物繊維で中性脂肪や血糖値の上昇をゆるやかにします。
ほかにも腸内環境を整えたり、内臓脂肪を減らしたり、ミネラルの吸収を助けてくれる等の作用があります。
シクロデキストリンはその難消化性食物繊維のひとつです。
「シクロ」は環状
「デキストリン」はオリゴ糖という意味で
サイクロデキストリン、環状オリゴ糖ともいいます。
シクロデキストリンは、じゃがいもやとうもろこしのデンプンからできています。
デンプンから酵素反応によって合成され、ブドウ糖が環状につながったものです。
構造的にはちょうどフタと底のないカップのようなバケツのような立体的なカタチになっています。
一般的な甘味料としてのオリゴ糖は、糖分子が2~10個つながっていますが環状ではありません。
このカップ状の分子は、外側が親水性(水に溶けやすい性質)、内側が親油性(油になじみやすい性質)となっていて、ひとつの物質の中に異なるふたつの性質を併せもっています。
そのユニークな特徴で内側にさまざまな分子を包み込んだり(包接)、放出したり(徐放)することができます。
こうした「外側=親水性」「内側=親油性」の二重構造をもつナノ粒子ということによりシクロデキストリンは次のような、さまざまな作用を示します。
シクロデキストリンの作用
- 嫌なにおいや苦み成分を閉じこめるマスキング作用
- 不安定な物質を安定させる作用
- 酸化を防ぐ作用
- 吸湿を防ぐ作用
- 気体や液体を粉末にする作用
- 脂溶性物質を水に溶かす作用
- 薬剤の効果をを高める作用
主に、食品や飲料、化粧品、生活用品など、幅広く使われています。
(スプレー型消臭剤、カテキン飲料、ねりわさび、サプリメント、柔軟剤など)
このようなシクロデキストリンの作用によって私たちの健康について期待できることがあります。
ちなみに難消化性食物繊維にはトクホで有名な難消化デキストリンがありますが、この仲間であるシクロデキストリンにはさらなる優れた効果があります。
生体内でのシクロデキストリンの効果
シクロデキストリンは人間の体内で内側に過酸化脂質やトランス脂肪酸などの有害な油を優先して吸着し排出します。
過酸化脂質:中性脂肪やコレステロールなどの脂質が活性酸素によって酸化されたもの。がんや老化・動脈硬化などを引き起こす。厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトより
トランス脂肪酸:→最も避けたい油といわれるトランス脂肪酸
なんと1gで9gの油脂です。
これは難消化デキストリンの2.5倍の効果です。
アレルゲンを吸着し排出することでIgE抗体を減らすこともできます。
シクロデキストリンのアレルギー改善に関する臨床試験でもその効果が明らかになっています。
また、デンプンの消化酵素アミラーゼと砂糖の消化酵素スクラーゼをダブルで阻害して糖の吸収を遅くすることができます。
難消化デキストリンはデンプンをブドウ糖にするアミラーゼの阻害しかできませんが
シクロデキストリンはショ糖(砂糖)をブドウ糖や果糖にするスクラーゼの阻害をもしてくれます。
また難消化デキストリンはメイラード反応を起こし、老化物質AGEsになりますが
シクロデキストリンは熱に強く加熱しても変性しません。
無味無臭で料理にも影響がなく非常に取り入れやすいものとなっています。
このようにシクロデキストリンは食物繊維として最強です。
腸内環境改善のために難消化性食物繊維を取り入れたくて、難消化デキストリンにしようか、イヌリンにしようか迷っていたところの運命の?出会いでした。
人それぞれ合うものは違ってくると思いますが、効果の高そうなものからお試しでとりいれてみてはいかがでしょうか。