腸内環境を整える~理想的な腸内フローラをつくる~

腸内フローラって

腸内には1000種類以上、100兆個以上の腸内細菌がいます。
そのうちの善玉菌は、生まれたての赤ちゃんで90%、3才で70%、大人になると20%にまで減ってしまいます。
減りに減って20%のイメージですが大人はこの20%をキープするのが理想的な状態となっています。

腸内細菌は種類ごとに集団になって住み着いていてこの様がお花畑のようであることから腸内フローラと呼ばれています。

有用である善玉菌と有害である悪玉菌とどちらでもない日和見がいて
それらがのバランスであることと、
菌の種類が多いということが理想とされています。


腸内フローラのバランスを整えるもの

  • バランスのよい食事
  • 食物繊維
  • 適度な運動
  • 十分な睡眠


腸内フローラを乱すもの

  • 肉中心の偏った食事
  • 食物繊維の不足
  • 運動不足
  • 睡眠不足
  • お酒の飲みすぎ
  • 加齢
  • ストレス


腸内フローラうんぬんにかかわらずの内容ですね…。

 

プロバイオティクスとプレバイオティクス

「プロバイオティクス」や「プレバイオティクス」ってよく聞きますよね。
一文字ちがいで混同しがちなこの二つ…
腸にいいことな感じは分かるけどいったいなんなのか、この二つは何が違うのかについてです。

バイオティクス

プロバイオティクスとはいわゆる善玉菌そのもののことです。
乳酸菌、ビフィズス菌酪酸菌等 のこと。

バイオティクス

プレバイオティクスとは腸内にいる善玉菌(プロバイオティクス)のエサになって増やしてくれる食品成分のことです。(具体的にはあとで記載します)

この2つを両方とることを「シンバイオティクス」といいます。

乳酸菌、ビフィズス菌酪酸菌のちがい


プロバイオティクスの代表である乳酸菌、ビフィズス菌酪酸菌…これまた腸にいいのはわかるけどそれぞれいったい何が違うの??っていう方は多いのではないでしょうか。
それぞれどんな特徴、役割があるのかについて解説します。

共通点としては
作り出すで悪玉菌が増えるのを抑えたり、腸のぜん動運動を助けて便秘を改善する効果があります。


■ 乳酸菌

作り出す酸の種類:乳酸
生息部位:小腸の下部~大腸

発酵によって糖から乳酸をつくる微生物の総称。
乳酸菌の種類は多種多様です。
広い意味ではビフィズス菌酪酸菌もこれに含まれます。

そのほかにも、中性脂肪コレステロールの低下、免疫機能を高めがんや感染症を予防、アレルギーの抑制など、さまざまな働きがあると言われています。

ビフィズス菌

作り出す酸の種類:乳酸+酢酸
生息部位:大腸

乳酸菌の一種で、代表的な善玉菌。

大腸にいる善玉菌のうち、約99.9%がビフィズス菌で、乳酸菌は約0.1%です。
大腸の調子を整えるために、ビフィズス菌はなくてはならないものです。

ビフィズス菌は酸に弱く、経口摂取によって生きたまま腸まで届けることが難しいため、さまざまな研究がなされています。

食品で摂るというよりは腸内に元々存在しているビフィズス菌を増やすことが大切です。
その材料となるオリゴ糖などを摂ることが有効とされています。

酪酸

作り出す酸の種類:酪酸+酢酸
生息部位:大腸

アレルギーに対する効果は前回とりあげました
御性T細胞:Tレグ(T-reg)がアレルギーをおさえる

酪酸菌が作り出す酪酸は大腸の主要なエネルギー源です。
大腸の水分・ミネラルの吸収や、粘液の分泌によるバリア機能などが正常にはたらくために大切なものとなっています。

また酪酸が大腸の粘膜上皮細胞の代謝を促して酸素を消費させることで、酸素を必要とせずに育つビフィズス菌や他の有用菌(善玉菌)が棲みやすい環境になります。


乳酸菌は生きて腸に届くことが重要視されていますが、途中で死んでしまった菌にも大切な役割があります。
死んでしまった菌は、善玉菌が退治した悪玉菌を吸着し外へだしてくれます。
また、生きている善玉菌のえさとなり、よりよい腸内環境へと導きます。
どうせ死んじゃうから乳酸菌なんてとらなくていいやっていうわけではないのです。

 

腸活メシ

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腸内環境を整える食事、腸活メシとして
プロバイオティクスとプレバイオティクスを意識したものを取り入れましょう。

菌そのものを含むプバイオティクス食品
善玉菌が含まれる発酵食品

納豆、ぬか漬け、キムチ、ヨーグルト、チーズ、みそ、しょうゆ、かつお節、甘酒等
菌を育てるプバイオティクス食品
水溶性食物繊維 

・野菜 (モロヘイヤ、ゴボウ、かぼちゃ、にんじん、ほうれん草、大根、キャベツ等)
・いも類、こんにゃく
・きのこ類 (なめこ、しめじ、えのき、しいたけ、まいたけ等)
・くだもの (プルーン、キウイ、桃、いちご、柿、リンゴ等)
・豆類 (納豆、大豆、小豆、いんげん豆、えんどう豆等)

(  )内は多い順
不溶性食物線維 

・野菜 (れんこん、ゴボウ、切り干し大根、モロヘイヤ、かぼちゃ、ほうれん草等)
・いも類、こんにゃく
・きのこ類 (きくらげ、エリンギ、しいたけ、えのき、まいたけ、しめじ等)
・くだもの (キウイ、柿、梨、リンゴ、バナナ、いちご等)
・豆類 (いんげん豆、大豆、小豆、えんどう豆、納豆等)

(  )内は多い順

水溶性食物繊維+不溶性食物線維

・海そう類 (のり、昆布、ひじき、わかめ、もずく等)

海そう類は食物繊維をとても多く含みますが粘質多糖類が多く、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の区別しての分析が困難となっています。

(  )内は総量のみでの多い順

オリゴ糖

オリゴ糖入り甘味料のほか(きな粉、ゴボウ、たまねぎ、納豆、ハチミツ、バナナ等)

(  )内は多い順 


ちなみに水溶性食物繊維を摂りすぎるとお腹がゆるくなったり
不溶性食物繊維を摂りすぎると便秘が悪化したりしてしまいます。
お腹の調子をみながら適量をとるようにしましょう。